甲斐駒ケ岳〜鳳凰三山

2010 年 7 月 20 日

天気予報はいいし、3日間のウィークエンド。行きにくい場所にハイキングに行くのに格好のチャンスだ。行先は南アルプス。久しく前から行きたい山歩きのリストにあった甲斐駒ケ岳と鳳凰三山が目的地だ。しかし、この週末を利用しようという人々は他にもいる。甲府の駅に着くと既に北沢峠までのバスに乗り換える広河原行きのバスに乗るための行列ができている。運行会社が3本の臨時便を出したのも役に立たず、もう座る場所がなくて立ったままで行くことになる。

12時45分に北沢峠に着くとキャンプ地に赴き、場所がなくなってしまう前にテントを張る。登るにはもう遅すぎるし翌日からは2日間の長い日程が待っている。だから予定はシンプルにキャンプ地で休むということになる。

日曜の朝、ゴールは他のハイカーたちと同じで甲斐駒ケ岳の頂上だ。山頂までの狭く切り立って岩の多い道に人々があふれている。はっきり言ってこの人ごみは不愉快きわまりない。しかし、シーズンの真最中の3連休にこのような有名な頂に登るためには仕方がないことだろう。

arriving at sensui pass 2view on Asayomine and Hoosanzan 2the crowd heading to Kaikomagatake summitscrambling in blocks 1Scrambling on the way to Kaikomagatake 1Scrambling on the way to Kaikomagatake 2rocky ridge to Kaikomagatakeview on Mount Fuji on the way to Kaikomagatakelast effort before Kaikomagatake summitview on Mount Fuji from Kaikomagatake 2Southern Alps panorama from KaikomagatakeKaikomagatake - a busy summit

こんな状況でも登山のあいだ目にする眺望そしてすべての生き物に不向きな乾いて岩だらけの頂上に咲く高山の花々の美しさを消し去ることはできない。ゴセンタチバナ、ハクサンシャクナゲ、タカネバラ、ツマトリソウ、コイワカガミ、ウラジロキンバイ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、タカツメクサ。

chamaepericlymenum canadenserhododendron brachycarpumrosa nipponensistrientalis europaeaschizocodon soldanelloides f.alpinuspotentilla niveaanemone narcissiflora var. nipponica 2anemone narcissiflora var. nipponica 1Geum calthifolium var. nipponicum 2Geum calthifolium var. nipponicum 1Arenaria artica var. hondoensisArenaria artica var. hondoensis 2

午前11時ごろ仙水峠に降りると、昼食をとる時間があるぐらいで、またすぐに反対側の尾根の上に登る道を通って早川尾根小屋の山小屋までの長い午後の歩きに向けて出発する。朝のルートとのコントラストは驚くほどだ。99%の人々は甲斐駒ケ岳の頂上までの往復だけで満足しているということで、こちらの道にはほとんど人の気配がない。朝は何百人ものハイカーがいたのに対し、午後の間に多くても10人ぐらいにしか出会わなかった。穏やかに静まり返った山を楽しむのは最高だ。風景も天気も変わって、甲斐駒ケ岳のほとんど砂漠のような坂道を日照りの中で登ったあとに、植物に覆われた尾根を歩きまわるのは心地よい。

Scrambling between Asayo-mine and the lodge 1Scrambling between Asayo-mine and the lodge 2Scrambling between Asayo-mine and the lodge 3Scrambling between Asayo-mine and the lodge 4Scrambling between Asayo-mine and the lodge 5foggy ridge between asayo-mine and the hut 1foggy ridge between asayo-mine and the hut 2foggy ridge between asayo-mine and the hut 3last uphill before the lodge

二つの思いがけない出会いがあったのもこの時だ。一羽の雷鳥。そして殊に山小屋に着く直前の森の中では2匹のテンが山道に我々が来たのに驚いて逃げ出し、こちらの方に向かって走りつつ数メートル離れた繁みに消えた。長年山歩きをしているがこれらの動物たちを観察する機会に遭遇したのは初めてのことだった。やはり人のよく通る道から離れたところに美しく驚きに満ちた出会いがあるものだ。

12時間の長い一日を終えてキャンプに18時に到着。寝袋に帰り横になるのは心地よい!

翌日は鳳凰三山、地蔵岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳の3つの頂を横断する長いけれども素晴らしい一日にむけて再び出発する。

山小屋のある尾根では地面すれすれの光が森にさしこみ、自然が目を覚ます。この穏やかな空気は魅惑的だ。素晴らしい日のはじまり。森を抜けるとたちまち前日歩いた頂とそれを取り巻く山塊の眺めが開ける。今朝この山々の広大さをひとりじめにして高みから見下ろしている気分だ。

Morning light in the woodsearly morning light on the ridge to Hoosanzan 3early morning light on the ridge to Hoosanzan 4early morning light on the ridge to Hoosanzan 5early morning light on the ridge to Hoosanzan 6arriving at Takane 1arriving at Takane 2heading to the first summit of Hoosanzan 1Hoosanzan summits and Mount Fuji

地蔵岳に着くと太陽はすでに高く照りつけている。暑くて陰になっているところは少なく、3つの頂の山稜は全体に砂の中から出てきたような岩からなる砂漠のような場所である。すべてが完璧に結びついて場所によっては月面の風景の中を横切っているような印象を与える。

heading to the first summit of Hoosanzan 2heading to the first summit of Hoosanzan 3heading to the first summit of Hoosanzan 4On the ridge between Jizodake and Kannondake 2On the ridge between Jizodake and Kannondake 1heading to Hoosanzan second summit 1heading to Hoosanzan second summit 2between Jizodake and Kannondake 1between Jizodake and Kannondake 3between Jizodake and Kannondake 4arriving at Kannondakethe ridge between jizodake and kannondake 1uphill to Kannoondakenear Kannondake summit 2arriving at Kannnondake 2the ridge to Yakushidake Hoosanzan last summit 1Hoosanzan rocky ridge 1Hoosanzan ridge from Jizodake to Kannondake 1on the ridge to Yakushidake 1on the ridge to Yakushidake 2arriving at Yakushidake 1arriving at Yakushidake 2

観音ヶ岳と薬師ヶ岳がどちらかというと平らな山頂であるのに対して、地蔵岳の頂は岩の基盤の上に平衡を取った2つの巨大な地塊からできている。およそ10メートルほどしかない2つの塊の頂に簡単に登ることができたとしても、降りるのはもっと危険をはらんでいる。それで頂上に登るのはザイルを使った次の登攀の時までとっておくことにした。

Jizodake one of Hoosanzan summit 1Jizodake one of Hoosanzan summit 2Jizodake one of Hoosanzan summit 3

鳳凰三山の縦走もまた岩場が多く条件の悪い場であるのだが、また更にいくつかの花を観る機会に恵まれた。クモマナズナ、モミジカラマツ、タカネビランジ、クチバシシオガマ、コケコゴメグサ、シナノナデシコ。

draba sakuraii var nipponicatrautvetteria caroliniensis var japonicatrautvetteria caroliniensis var japonicasilene keiskei var akaisialpinapediculasis chamissonis var longirostrataeuprasia kiso-alpinadhianthus shinanensis

そのうちの一つは日本版エーデルワイスであるミネウスユキソウだ。

leontopodium shiroumense

また降りるときに幽霊のような姿の不思議な花ギンリョウソウを見た。

monotropastrum humile 2monotropastrum humile 1

甲斐駒ケ岳への登山は眺めと植物を除いては人込みのせいで不愉快ではあったが、あとの部分は日本で体験した最も素晴らしい山歩きであった。しかし甲斐駒ケ岳に冬の復讐を果たしにt近いうちにまたここに戻ってくるだろう。そして地蔵岳の頂上の岩の先に登るためにザイルを持ってくるつもりだ。

地図

このハイキングに必要な地図は
1/25000地形図、甲斐駒ヶ岳、甲府14号-1、 NI-54-31-14-1
1/25000地形図、仙丈ヶ岳、甲府14号-2、 NI-54-31-14-2
1/25000地形図、鳳凰三山、甲府10号-4、 NI-54-31-10-4
1/25000地形図、夜叉神峠、甲府11号-3、 NI-54-31-11-3

GPS用のGPXファイル:
1日目:kaikomagatake-hoosanzan-0710d1.gpx
2日目:kaikomagatake-hoosanzan-0710d2.gpx
3日目:kaikomagatake-hoosanzan-0710d3.gpx
GPXファイルを使う以前に注意をお読みください。

山の情報

甲斐駒ヶ岳に関する情報(山小屋、地図、安全…)はこの投稿にあります。

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