大谷不動でアイスクライミング
菅平のスキー場近くの大谷不動の氷瀑を登りに行く計画を2週間前に一度あきらめたが、今週末また行くことに決めた。2月最後の週末でこのシーズン最後のチャンスだった。
大半が森の中の道であるアクセスは簡単で思ったより短い。しかしこの季節の雪の量を考えるとアプローチの歩きにはスノーシューを持って行った方がよい。この歩きには1時間半かかった。
寺の近くにテントを張ると、いろいろな氷瀑を下調べに行くためにまっすぐに谷の方へ向かった。大谷不動は名声の頂点にあるらしい。アイスクライミングでは中部日本で最もハードな場所であるという評判だ。中心となる谷には5つの素晴らしい氷瀑がある。長く険しく気後れしそうなピッチのが少なくとも2つ、それに加えてこちらもやはり険しいらしい1ピッチの2つの滝が、トポによると寺の後ろの小さな谷にあり、もう一つの滝は寺に着く前の谷の中にある。週末には十分すぎるほどだった。
本流の滝からとりかかった。最も簡単なのですらWI4+ぐらいだ。3つの滝から成り、最初の滝は完全に崩れ落ちていた。ここは概して迂回されている。滝の下に溜まる水が絶対に凍らないからだ。それで1ピッチ省くことにはならなかったけど、これは良い兆しではない。2番目の氷瀑の下に来ると中間のセクションが雪で覆われていてひどく腐っているようだった。しかし氷の状態はいいように見えたのでリードでとりかかった。最初の部分はうまく過ぎたが懸垂下降の50メートルロープを持っていたので、2つに切って中間のセクションに支点をおくことにした。この部分はなかなか辛かった、登るのも大変だが支点がつけられそうな氷まで到達するのに固い雪の層を取り除くのも同じぐらい苦労した。パートナーが支点に来たので自分はピッチを終えるためにリードで再び登りはじめた。この時恐怖をおぼえたと白状する。この最後の部分では氷の状態がかなり悪く、アイスピッケルの下あちこちで砕け散っていたから。ともあれ冷静さを保ってきちんと登ることに成功した。次に3番目の滝の下に行った。滝の上の所が壁から離れて、再び凍結する前に崩れ落ちようとしているのがはっきり見えた。しかしこの方がずっと簡単でとにかく登ってみた。
その後左壁の中央の滝の最初のピッチをやりに行くためにまた降りて来た。この滝はさらに険しく、レベルが最も高い(WI5)。出口のムーブでセカンドで見事に落下してしまった。アイスピッケルが氷にしっかり固定されていなくて抜けてしまったのだ。2つのピッチの間の支点で、2番目の滝の上まで到達できずに降りてくるパーティーとすれ違った。ゴール直前で断念して降りなければならなかったという。このピッチでは氷柱がもう壁にくっついていなかったからだ。
次の日は左壁右の滝へ行った。こちらもWI5の2ピッチから成る。またセカンドで見事に墜落。アイスピッケルを置くたびに氷はあちこちでひび割れ、険しいセクションの最後のムーブでピッケルの周りの氷がピッケルといっしょにはずれてしまったのだ。この一つのピッチのあとで疲れきってしまっていた。パートナーも同様だ。そこでこれで終わりにして帰ることにした。しかしシーズンに1度はまた来たい場所であることは確かだ。次回はシーズンももっと早い時期、コンディションが良いときに来たいものだ。
一般の情報
滝のトポは「チャレンジ!アルパインクライミング(八ヶ岳・南アルプス・谷川岳編) – ISBN-13: 978-4808307936」の本にある。
交通・アクセス
菅平のスキー場のアクセス:http://sugadaira.com/?page_id=211にある。
地図
大谷不動の谷の地図は
1/25000地形図、菅平、長野 9号-4、NJ-54-36-9-4
1/25000地形図、四阿山、長野 9号-2、NJ-54-36-9-2
GPS用のGPXファイル:ooyafudoo.gpx
安全
2本の50メートルで懸垂できるけど、ルートによって滝のピッチを切らずに登りたいなら、60メートルのほうがいい。
木で懸垂することが多いので、アンカー用の残地のロープを持っていたほうがいいと思う。
本流の第一の滝は下に溜まる水が凍らないかない、基本的に巻いて、第二の滝から登る。